冒険のおわり 世界のはじまり ーー"Come Along With Me"に寄せて

最終回を観たぞ

『アドベンチャー・タイム』の最終回「冒険は続いていく」(”Come Along With Me”)を観ました。ので感想を書きます。ネタバレはあります。俺は観たぞ、君も観ろ。

 

なんでいまさら

 こないだ観たから。日本初放送時にいろいろあって見逃し、どういうわけかイギリスに引っ越すことになったりしてなんやかんや観れなかったのですが、先日Amazonで購入、やっと観られました。やったね。

 なので以下は英語版の感想です。これはぼくが観たやつのリンクです。

www.amazon.co.uk

 

感想というかなんというか

”It's okay, Jake. You always try to protect me and Finn. But sometimes we are going to get hurt. How about today, you let me be the papa? ”

ーーBMO, ”Come Along With Me”

 わたしたちは少しずつそのときが近づくのを感じていました。フィンがフレイムとキスしたとき、腕を失ったとき、17歳の誕生日を迎えたとき。あるいはジェイクが父となったとき、20代に別れを告げたとき。すべては少しずつ変わっていました。”Everything stays, but it still changes” いみじくもレベッカ・シュガーの言った通りです。しかしツリーハウスが崩れたとき、そのときは来ました。決定的な瞬間を、幼年期の終わりを、わたしたちは突きつけられました。バブルガムの支配から、キム・キル・ワンの資本主義からわたしたちを解放してくれたツリーハウスはなくなりました。”Timeless”と刻まれた時計は砕け、時の流れが無情に押し寄せてきたのです。すべては失われました。ぼくは泣きました。絶句して立ちすくむジェイクを見て泣きました。二度と帰らない冒険の時間に泣きました。

 しかしBMOは言いました。自分は父になると。ジェイクの「子」であるBMOがジェイクのパパになると言いました。すべてが変わりました。わたしたちと『アドベンチャー・タイム』の間の現実と虚構を隔てる壁は崩れ去りました。バブルガムとガムボルドは、創造主と被造物は和解しました。「あんたのせいだ!」(”You made me!”)という苦悶の叫びは鎮まりました。世界とわたしを隔てていた深い溝はなくなりました。過去も現在も未来もなくなりました。『アドベンチャー・タイム』だけがありました。

 ツリーハウスはもうないけれど、フィンとジェイクはもういないけれど、冒険の時間はもう終わったけれど、いつでもあのときに戻ることができます。そしてシャーミーが剣を掲げたとき、新しい冒険がいつでも待っていることに気がつくのです。

 

Adventure Time | Rebecca Sugar Performs 'Time Adventure' | Cartoon Network